ベクトルの外積の定義a×b=(|a||b|sin θ)n (θ: a,bのなす角, n: a,bに垂直で(a,b,n)が右手系になる単位ベクトル) から外積の成分表示はどうやって導きますか?
知っている方がいましたら教えてください。
ベクトルの外積について
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Re: ベクトルの外積について
ざっくり導くなら、
a×b=(|a||b|sin θ)n
cosθ=(a•b)/(|a||b|)
から、
ベクトルnを求めると、そのnが
a⊥n,b⊥n,|n|=1
かつ右手系であるという条件を満たす事を言えばいいと思います。
nをより厳密に正当化するには、以下のように補題を用意するといいと思います。ただし、ベクトルはすべてR^3の元とします。
補題1.ベクトルa,bが一次独立とすると、
a⊥c,b⊥c・・・*
となるベクトルcが存在する。
また、ベクトルdも*を満たすならばある実数αで
d=αc
と表せる。
「前半の証明は、a×bの成分表示されたものをcとして内積=0を示せば良いです。
a,b,cが一次独立よりR^3の基底となるので、ある実数α,β,γが存在して、
d=αa+βb+γc
と表せます。
0=a•d=(a•a)α+(a•b)β
0=b•d=(a•b)α+(b•b)β
となり、この同次連立1次方程式の係数行列の行列式は、
(a•a)(b•b)-(a•b)^2
=|a|^2|b|^2-(a•b)^2≧0
≧はコーシーシュワルツ不等式によります。
特に、コーシーシュワルツ不等式の等号成立条件はaとbが一次従属である事から、
(a•a)(b•b)-(a•b)^2>0
となる事がわかります。
係数行列が正則行列より、
α=β=0、d=γc
です。」
補題2.ベクトルa,bが一次独立とすると、
a⊥c,b⊥c・・・*
となるベクトルcで、{a,b,c}が右手系となるものが存在する。また、任意の正実数γ>0に対し、
{a,b,γc}
も右手系。
「右手系の定義[1]から、
(a,b,c)=(e1,e2,e3)P
(Pは基底の変換行列)
とすると、(e1,e2,e3)は単位行列で
P=(a,b,c)
det P>0なら右手系、det P<0なら、
a⊥-c,b⊥-c
P'=(a,b,-c)
とするとdet P'=-det P>0より{a,b,-c}は右手系。
{a,b,c}が右手系のとき、γ>0に対し
a⊥γc,b⊥γc,
det (a,b,γc)=γdet (a,b,c)>0
より、{a,b,γc}も右手系。」
補題1,2とa×bのノルム(|a||b|sin θ)から、a×bとなるベクトルは一意に定まると思います。
ただし、a,bが一次独立でない場合は右手系かどうかの議論がおこなえないので、a×bは定義できないか、0と定義することになると思います。
また、
a×b:=(|a||b|sin θ)n
と定義する場合、a,bのどちらかが0ならθが定義できないと思います。
(|a||b|sin θ)n=a×b
=(a2b3-a3b2,a3b1-a1b3,a1b2-a2b1)
の両辺に1/|a||b|sin θをかけるとnが求まります。
a×b=(|a||b|sin θ)n
cosθ=(a•b)/(|a||b|)
から、
ベクトルnを求めると、そのnが
a⊥n,b⊥n,|n|=1
かつ右手系であるという条件を満たす事を言えばいいと思います。
nをより厳密に正当化するには、以下のように補題を用意するといいと思います。ただし、ベクトルはすべてR^3の元とします。
補題1.ベクトルa,bが一次独立とすると、
a⊥c,b⊥c・・・*
となるベクトルcが存在する。
また、ベクトルdも*を満たすならばある実数αで
d=αc
と表せる。
「前半の証明は、a×bの成分表示されたものをcとして内積=0を示せば良いです。
a,b,cが一次独立よりR^3の基底となるので、ある実数α,β,γが存在して、
d=αa+βb+γc
と表せます。
0=a•d=(a•a)α+(a•b)β
0=b•d=(a•b)α+(b•b)β
となり、この同次連立1次方程式の係数行列の行列式は、
(a•a)(b•b)-(a•b)^2
=|a|^2|b|^2-(a•b)^2≧0
≧はコーシーシュワルツ不等式によります。
特に、コーシーシュワルツ不等式の等号成立条件はaとbが一次従属である事から、
(a•a)(b•b)-(a•b)^2>0
となる事がわかります。
係数行列が正則行列より、
α=β=0、d=γc
です。」
補題2.ベクトルa,bが一次独立とすると、
a⊥c,b⊥c・・・*
となるベクトルcで、{a,b,c}が右手系となるものが存在する。また、任意の正実数γ>0に対し、
{a,b,γc}
も右手系。
「右手系の定義[1]から、
(a,b,c)=(e1,e2,e3)P
(Pは基底の変換行列)
とすると、(e1,e2,e3)は単位行列で
P=(a,b,c)
det P>0なら右手系、det P<0なら、
a⊥-c,b⊥-c
P'=(a,b,-c)
とするとdet P'=-det P>0より{a,b,-c}は右手系。
{a,b,c}が右手系のとき、γ>0に対し
a⊥γc,b⊥γc,
det (a,b,γc)=γdet (a,b,c)>0
より、{a,b,γc}も右手系。」
補題1,2とa×bのノルム(|a||b|sin θ)から、a×bとなるベクトルは一意に定まると思います。
ただし、a,bが一次独立でない場合は右手系かどうかの議論がおこなえないので、a×bは定義できないか、0と定義することになると思います。
また、
a×b:=(|a||b|sin θ)n
と定義する場合、a,bのどちらかが0ならθが定義できないと思います。
(|a||b|sin θ)n=a×b
=(a2b3-a3b2,a3b1-a1b3,a1b2-a2b1)
の両辺に1/|a||b|sin θをかけるとnが求まります。