三角比の定義について質問があります。
三角比の拡張において、90°を超える角度(θとします)の動経があるとします。その角θのsin cos tan は単位円で定義し、あとは問題により自由に円を拡大させて良いというのは分かります。
sin や cos の値は角θによって、単位円の中で角θの動経と単位円の交点(Pとします)が、P(cosθ, sinθ)と定められています。
これは、角θの動経に注目して、sin cos tanの値を決めるのですか?
θが120°でも60°の直角三角形を利用しますよね?
色々とインターネットや知恵袋の回答を閲覧させてもらいましたが、考えれば考えるほど意味が理解できなくなります。
解答のほど、よろしくお願いいたします。
三角比について質問があります
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Re: 三角比について質問があります
> これは、角θの動経に注目して、sin cos tanの値を決めるのですか?
> θが120°でも60°の直角三角形を利用しますよね?
混乱の原因はおそらく「定義」と「求め方」を混同しているからだと思います. 定義するだけなら動径を利用します. 三角比の値を求めるために直角三角形の辺の比を利用します.
上で述べられていますので大丈夫だと思いますが, 三角関数の定義を復習しておきます.
【三角関数の定義】
まず準備として, 中心が原点 O, 半径が 1 の円を描き, 点 (1,0) を A とします(=円と $x$ 軸との交点). また点 P は円周上を動く点だとします.
次に, 角度 $\theta$ に対して, $\angle AOP=\theta$ となるように点 P を定めます. このとき,
・「点 P の $y $座標」のことを $\sin{\theta}$,
・「点 P の $x$ 座標」のことを$ \cos{\theta}$,
と決めます. また, 点 P の $x $座標が$ 0$ でない(= 点 P が $y $軸上にない)とき,
・「点 P の $y$ 座標」/「点 P の $x$ 座標」のことを $\tan{\theta}$
と決めます.
ここまでが定義です. 注意ですが, 上の定義には一切 "(直角)三角形" は現れません.
> θが120°でも60°の直角三角形を利用しますよね?
混乱の原因はおそらく「定義」と「求め方」を混同しているからだと思います. 定義するだけなら動径を利用します. 三角比の値を求めるために直角三角形の辺の比を利用します.
上で述べられていますので大丈夫だと思いますが, 三角関数の定義を復習しておきます.
【三角関数の定義】
まず準備として, 中心が原点 O, 半径が 1 の円を描き, 点 (1,0) を A とします(=円と $x$ 軸との交点). また点 P は円周上を動く点だとします.
次に, 角度 $\theta$ に対して, $\angle AOP=\theta$ となるように点 P を定めます. このとき,
・「点 P の $y $座標」のことを $\sin{\theta}$,
・「点 P の $x$ 座標」のことを$ \cos{\theta}$,
と決めます. また, 点 P の $x $座標が$ 0$ でない(= 点 P が $y $軸上にない)とき,
・「点 P の $y$ 座標」/「点 P の $x$ 座標」のことを $\tan{\theta}$
と決めます.
ここまでが定義です. 注意ですが, 上の定義には一切 "(直角)三角形" は現れません.
- 添付ファイル
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Re: 三角比について質問があります
では, 例えば $\cos{120^{\circ}}$の値は何か?というのが次の問題です.
【三角関数の求め方】
$\theta=120^{\circ} $のとき, 上記のように点 P をとります. 求めたいのは「点 P の $x$ 座標」です. そのために, 次の [1]~[3] のステップをとります.
[1] まず $\theta=120^{\circ} $ なので, 点 P は第 2 象限にあります. よって, 「点 P の $x$ 座標」は "負の値" になります.
[2] 次に点 P から$ x$ 軸に垂線を下して, その交点を H とします. すると,
・$△OPH $は $OP=1, ∠PHO=90^{\circ}$ の直角三角形,
・(点 P の $x$ 座標) = - (辺 OH の長さ)
ということが分かります. よって, あとは直角三角形 OPH の辺 OH の長さが分かればよいことになります.
[3] 最後に $\theta=120^{\circ} $ なので, 直角三角形 OPH は
$ \angle POH = 180^{\circ} - 120^{\circ} = 60^{\circ}$
となります. よって, よく知られた直角三角形の辺の関係から,
$OP : OH = 2 : 1$
なので, $OH = \frac{1}{2}$ となります.
以上より,
$\cos{120^{\circ}}$= (点 P の $x$ 座標) = - (辺 OH の長さ) = $-\frac{1}{2}$
となります.
ここまでが求め方になります. 上を見ると分かるように, 直角三角形を利用するのはあくまで辺の長さ ([3]) を求めるためです.
【三角関数の求め方】
$\theta=120^{\circ} $のとき, 上記のように点 P をとります. 求めたいのは「点 P の $x$ 座標」です. そのために, 次の [1]~[3] のステップをとります.
[1] まず $\theta=120^{\circ} $ なので, 点 P は第 2 象限にあります. よって, 「点 P の $x$ 座標」は "負の値" になります.
[2] 次に点 P から$ x$ 軸に垂線を下して, その交点を H とします. すると,
・$△OPH $は $OP=1, ∠PHO=90^{\circ}$ の直角三角形,
・(点 P の $x$ 座標) = - (辺 OH の長さ)
ということが分かります. よって, あとは直角三角形 OPH の辺 OH の長さが分かればよいことになります.
[3] 最後に $\theta=120^{\circ} $ なので, 直角三角形 OPH は
$ \angle POH = 180^{\circ} - 120^{\circ} = 60^{\circ}$
となります. よって, よく知られた直角三角形の辺の関係から,
$OP : OH = 2 : 1$
なので, $OH = \frac{1}{2}$ となります.
以上より,
$\cos{120^{\circ}}$= (点 P の $x$ 座標) = - (辺 OH の長さ) = $-\frac{1}{2}$
となります.
ここまでが求め方になります. 上を見ると分かるように, 直角三角形を利用するのはあくまで辺の長さ ([3]) を求めるためです.
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